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I−Fインプレ

これはSSFのお約束「映画好きもビックリ」でございます。やっと来た!
さて、このプログラムの後でバーへ飲みに行きまして(もう金がないので全部ツケ (^-^;;;)、4時ごろ会場に舞い戻りました。レビュー書くために連日ネット喫茶に入り浸った報いで、サイフの空になったため、会場1階のカフェコーナーに陣取ってレビュー書いてやろうという目論見です。
ここで初めて、主催の久保さんに自己紹介させてもらいました。
「自己紹介させてもらいますが…エスねこです」
毎度ながらペンネームは言いにくいなあ(苦笑)。
何やらオイラのイメージがかなり想像と違っていたようでビックリされてましたが、要件を伝えてカフェコーナーの隅っこに陣取り、国内プログラムを書き上げ、いまコレ書いてるという状態。気を許すと絶対カクテル飲じゃうので、にぎやかなバーコーナーから隠れるように、柱の影に隠れてPC打ってるという(笑)。

で、I−Fです。思ったよりは小粒でした。
映像というよりは物語中心で、堅実・上質なんだけどヌルい作品もあります。やはりハリウッド文法は短編では機能しないのか?

『静かな雪』
グリーンランドを舞台にしたドキュメンタリー。海が最も汚染された海域…と書いても理解できないでしょうから解説しますと(作品中でも言及されていないし…)、グリーンランド沖は世界の海洋表層水が深海へ沈み込むポイントなのです。つまりアレです、風呂の排水溝です。海水の汚染だけじゃなく、小魚→アザラシを経由した生体汚染が深刻で、アザラシが主要タンパク源であるグリーンランド地元住民には手痛い打撃…「ビタミンが豊富だ」とか言って食ってましたが(汗)。温暖化の影響も深刻で、冬季の凍結がなくなって犬橇が走れないとか、いろいろ笑えない事態になってるみたい。あと、グリーンランドはバイキング入植までは定住者がいなかった土地なので、歴史としては千年ないくらいの若い世界だったはず。それを「何千年も続いてきた我々の暮らしを…」とか言うのはちょっとマテ。

『逃亡』
3分もない、ベリーショートな衝撃作。小道具として留守電が活用されてます。男からの謝りの電話が何度も何度も吹き込まれてるんですが、カメラはそれと平行してボストンバッグを映し続ける。そこへ衣類がいくつもいくつも乱雑に放り込まれ、ある朝の別れの、ありふれた光景を思い浮かべるわけですね。ところが映画の最後で、ボストンバッグの蓋が閉じられると、その向こうにはベッドに横たわる女性の死体が…いきなりストーリーが逆転するという。ただ同じ留守電ネタでは、I−Eの『不在』の方が出来としていいかな。

『ロックアウト』
セキュリティ完備のマンションに鍵を置き忘れ、締め出されてしまった。さあどうやって入りますか? というストレートな作品。主人公がちょっとバイタリティに欠けてるっぽい女性だというのがミソで、色々なドラマの結果、ロックアウトから数時間で見事に路上でコインを恵んでもらうホームレス状態に転落します。このあたり、展開に説得力もある(弱い部分は主人公の性格的な穴で補強してあるし)ので、なかなか息が詰まります。ただ、それから以後のストーリーは超前向きなハリウッドぉ〜展開になってしまう(カナダ映画のくせにぃ!)ので要注意…。

『親切の先に』
はい、これが正真正銘のアメリカ製ショート。感動的なサウンドに乗せて、街行く人たちの親切の連鎖が描かれます…が、なんかこれがまたアメリカという国だなぁ、って感じでして。無人駐車スペースの時間切れになった奴にコイン入れてやるとか、ダイナーでチップをいっぱい払うとか…「それが小さな親切か?」と疑問も思い浮かぶ内容。この疑問が最後のオチで、皮肉に効いてくるあたりにアメリカ文化ってモンの裏面が見えた感じかな。

『ある池』
ネタバレ注意。
ブリティッシュの正統派ドラマ。場所はイギリスの田舎、学校帰りに近所の沼地へ寄る子供たち。主人公のメイジは沼にまつわるいろんな噂を否定し続けた結果、ある賭けをやる事になります。沼の底から彼女のブレスレットを拾ってきた生徒がいたら、水着になって泳ぐという…ここまではイギリスのジュヴナイルらしい、硬い展開。それと平行して描かれるメイジの暮らし振りは、母の失踪によって気力を失った父を支える、健気な少女です。さて賭けの当日、彼女は参加する男子から1ポンドづつ集めて順に潜らせるわけですが…ブレスレットは出てこなかったが母の形見が出てきた…ラストカットは警察が捜索する沼地のほとりで、顔色なく抱き合う父子を描いて終わります。これ、背景は何も語られないけど「メイジが父親を独占したいがために母を殺して沼に沈めた」と解釈してOK? これで途中の演技や伏線がビシッと符合するんですが…。

『失われた線路』
オランダらしい、幽霊談のケバっとした感触が心地いいかも。オチは空中三回転半ヒネリ(=やりすぎ)みたいな感じがしますが、まあ伏線の張り方が見事なので納得は行くかなあ。不気味な夜汽車という空間に、美女ばかりが乗ってると言うのが絵的にグーでした。

『ブラインド・スポット』
クレジットによると製作2006年。でも内容は2007年のサブプライム問題を予見したような、ホームレス(ハウスレス?)映画です。一見ホームレスとは見えない姿で登場させるのがミソで、画廊に現れた有名女優と黒人ミュージシャンというカップル。主人公がふと足元を見ると、女性のストッキングが裂けているという…この場面、一瞬ドキリとさせるサスペンスがあります。まー、そっから後はハリウッド文法にのっとった普通のドラマなんですが…サブプラがここまで問題となった今、この穏便な展開はちょっと評価が難しいなあ。

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