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I−A現場インプレ

I−Aは『人間模様』プログラム。

校長先生とクジラ
今を時めく山村浩二作品。でもまあ捕鯨テーマで、グリンピース出資作だからなあ…いろいろな立場の各論飛び交うテーマで、作品が分裂してしまってる。悔しいっす。老人を主人公にして、戦後の重要蛋白源だったクジラの意味を滲ませてるあたりに、彼の視点の広さが伺えますが。

色あせない想い出
水の流れるウィンドウがある喫茶店を涙に例えた、一発ネタ的同性愛テーマ作品。時間が短いので、この一発がとても効果的で、印象に残ります。ロケーションの勝利!

アンダー・コンストラクション
変貌する中国を、ビル建設前のに取り壊された廃墟から切り取ってやろうという、《意欲先行作品》。この作品が凄いのは、廃墟はいろんな写真を切り取って合成した「ニセモノ」だという点です。最後に長回しで映される本物の高層ビル群が、中国の高度成長が過去のモノになりつつある現状を実感させてくれます。

ロード
投票作。よくやった! 短編映画で本格カーチェイス! いろいろ計算されたロケーション、アングル、シチュエーション、主人公の設定が、短い時間で観客をグググッとのめり込ませる。短編ならではの、計算しつくされた構成に心地よく酔えます。ただ、男のドライバーの正体はもう少し早く明かした方が好みだったかな…微妙なさじ加減の問題ですが。

ルイ
南ドイツと思われる温かな風景の中、クマの毛皮の帽子が欲しい少年の、プチゴーリキー風味な『外套』的努力のおはなし。監督さんが来場してました。実はあまり語るべき内容はないんだけど、南独らしいおおらかさ、そして木の赤を強調したカラーリングは特筆です。

決意の末
マレーシア作品。娘のために強盗を決意したオヤジが、なかなか首尾よく事を運べず…というコメディの領域にあるストーリーを真顔で演出。中華系イスラムの作品はどうしてこう、笑えないほどに硬く真面目なのか…両者の合体で日本人の理解できない世界が現出しました。

オン・ザ・ライン
断言。ラストカットににあと5秒、いやせめて3秒あれば忘れられない傑作になった。警備員という主人公の立場が、その優しい性格と相俟って監視カメラ越しの「覗き愛」に説得力を持たせています。だからこそ、ラストの、相手が監視カメラの視線に気付いた瞬間の、様々に立ち現れるであろう多くの感情を、目の演技でじっくり、コッテリ見せて欲しかったです。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に匹敵する鮮やかな幕切れ。でもそこで、もう少し語ってもよかったと思う。


…あー。最初のプログラムのインプレを書くだけで3プログラムが過ぎてしまった…初日は辛いです(笑)。

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