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I-Cインプレ

I-Cは『アート&ファンタジー』
割と凄いのが並びましたが、第1回の時のような「おおお~っ!」って感じにはいま一歩及ばず、というところか。

『見えない廃棄物』
一応エコロジカルテーマのマークがついてますけど、全然そんな事ない(笑)。ノリのいいロックをバックに、ヘタウマ絵で科学者たちが宇宙人探索をする姿がバリバリバリッと描かれる。電波望遠鏡を火星へ、木星へ、海王星へ…と向けてる間に、電磁波の影響で生態系が変化。異星生命はない、とガッカリして外へ出た研究者たちを、異様な知的生命体が取り囲んで、全員ハッピーという…なんだコレ(爆)。えーと一応、電波望遠鏡はレーダーみたいに電波を発するモノじゃないのでそこんとこよろしく、と。

『イルミ・アクション』
1分。短っ! しかも、くっつけた2本のマッチに火をつけて燃やすだけの、ワンカット…というかもう YouTube 的ネタ感あふれる映像。軸が燃えるにつれ、男女の抱擁としか思えない動き方をするマッチ二本に感激です。デジタルにたよらなくても、まだこんな映像ができるんだ!

『フェニックス・ダンス』
片足を切断したダンサーの練習&舞台を追うドキュメンタリー。正直、古いSFですがラリイ・ニーヴンのノウンスペースシリーズに登場するパペッティア人を連想しました。それくらい、両手+片足の三本足歩行は優雅で、完成されていた。異世界の何者か、って領域です。彼の現実を描かない方が、幻想性が増したような気がするなあ。

『A4』
コピー機の動作をスタイリッシュに描いた、そんだけの映像…意味あるのかなこれ…。

『雨が降る』
男女関係の象徴的な話が多いなあ、今年は…。雨の中、怪我をして運び込まれた一人の男。その小屋には、彼の世話をする女が一人に、謎の仕事をする男二人がいた。この4角関係の結末はいかに…? 正直面白くはなかったけど、ベネズエラ作品を観れた、って意味では貴重かな。

『D-I-M』
管理社会モノの未来SF。監督が来場してましたが、かなり若い兄弟監督です。途中の映像から、ちょっとブラザーズ・クエイの匂いを感じたかも。ただ、全般的にカビの生えたような古い未来像が多くて、新鮮さはゼロでした。ま、オチがググッとレベル低いので、笑って流せる感じですけど。小物の出来はいいんだけど、21世紀の現状から言って、やはりああいう未来は来ないと思うよ。いまありそうな未来の管理社会は『コード46』あたりがすっごくリアルだと思います。

『ナイトビジョン』
投票作。ズルいんだけど、コロンブスの卵。精神分析の手法として、患者に絵を見せて物語を作ってもらう…ってのがあるんですが、それをそのまんまやってます。だからこの作品、観客には最初から「想像力を楽しむ、支離滅裂な作品」という枠組みがスパッとわかるようになってる。その上で展開するのはクローネンバーグ的というか『裸のランチ』みたいな、リアリティがあるんだけど現実とは違う変な物語。ホタルのルミナス効果にやたらと詳しい主人公の女(冒頭の患者の分身)と、同じイカダに乗る小さな少年・少女。そして岸でシャボン玉を飛ばし続ける老人…この幻想的な人物配置が、無駄に詳しい化学用語やら子供たちのビジュアル的魅力やら老人の見る木々のピュアな光景やらを交えて、支離滅裂ながらも情感豊かに綴られていきます。多分、「リリカルなクローネンバーグ」という表現が一番似合ってるんじゃないかな。同じカナダ人だし。この監督は今後も注目したい。映像と物語の手綱捌きが天才的です。

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