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I-Bインプレ

4プログラム目で脳が破裂(笑)。ここらで休んで整理しておかねば…。
I-Bは『イマジネーション』プログラムです。
観客の想像力を広げるというより、「わかってくれよ」的内容の作品が並びました。

『念のため』
米、1分のショートアニメ。頑固な大人と敏感な子供の掛け合いで、温暖化に気付かない大人の鈍感さを表現…はいいけどコレ、『不都合な真実』の1分バージョンみたいで面白みに欠ける。アル・ゴアは炭素の循環という環境科学の基礎をちゃんと説明するから説得力があるんであってね(以下略

『今日は空いてません』
パントマイムを基本にした面白映像の連続! 裸足に革靴というスタイルで人に見られないように街を徘徊する男が、足音をリズミカルにキュッキュッ言わせながら、道行く人の後ろに隠れたり、壁の凹みに隠れたり…古きよきパントマイムの復活です(ただしチャップリンやキートンというよりは、初期のウディ・アレンの芸に近いですね)。そんな男の前に同族の女の子が現れて…ラスト、街のちょっと気付かない場所で堂々とラブラブという絵に惚れて投票。

『ウォーター』
カーペンターの『クリスティーン』に、こんなエピソードがあったら納得しちゃうかも、ってな一遍。車泥棒が橋下に置かれた放置車を盗もうとしたら、中に閉じ込められちゃって、やがて足元から水が上がってくる…意味なく、またオチも特になし。ワンセットものの新たなアイデア実験作と見るべきでしょう。

『貧血男のバラード』
アニメ。そして、映画の歴史を引きずったアニメ。『カリガリ博士』を意識した表現主義風の美術、メトロポリスを意識した人物構成、宮崎駿がちょっと入ったキャラデザイン…でも、この、全体を覆うテイストは間違いなく(実験アニメの時の)手塚治虫! 手塚が90年代を待たずに死ななかったら、いま、こういう作品を作っていたかもしれない。そう思わせるほど、彼の懐かしい感触に浸れます。虫プロのデビュー作『ある街角の物語』を髣髴とさせる、スタイリッシュで残酷で皮肉な、フランスアニメの底力を感じさせる作品でした。

『レスリング』
最初の台詞で「俺を取るか奥さんを取るか決めろ」というのが出て…あああコレ『ブロークバック・マウンテン』ネタじゃんよ~! しかもレスリングが題材、って身もフタもないじゃんよ~! トホホ…という感じでスタートしたものの、さすがはプロテスタントの国アイスランド。徹底した自己探求がテーマとなり、無言で苦虫を噛み潰したような男二人の各家庭を黙々と描き上げて、二人の実存に迫っていくのです。それでも、レスリングを題材にしたのはどーかと思うんだけど…。

『希望の視点』
イスラエルの融和派の手になると思われる、苦い主張のこもった逸品。真面目な評価ならコレがダンゼン投票作です。アイデア的にも病室で寝たきりの老人二人を描くワンセットもので、会話主導で進むあたり、元は舞台劇だった可能性あり。窓際のベッドに寝る末期患者と、窓際を希望したものの移るチャンスのない嫌なオヤジ。窓際の老人が外の光景を楽しげに語るのを、最初はうざったく思っていたオヤジですが、次第に老人の話術に引き込まれて、外の世界が「見える」ようになってくる。このあたり、観客もオヤジと同じ状況にあるので、次第に老人の言葉に引き込まれて「画面にない絵」が見えてくるってのが秀逸です。しかし老人はある晩、危篤状態に陥り、オヤジはナースコールのボタンを握って逡巡するという旋律の瞬間が訪れる…イスラエルならではの痛みというか、このシチュエーションは本当に凄いです。

『キャプテン・ロックブリッジ』
父を亡くした少年。過度のストレスから逃げるためか、彼は森の中で、オモチャの人形だったはずのキャプテン・ロックブリッジに出会ってしまうのだった…これは『ローズ・イン・タイドランド』にインスパイアされてるような気もしますが、逃げないで堂々と撮りきった、イギリスらしく力強い作品でした。


あああ~、あと2プログラム分書かないと脳の空きが(苦笑)。

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